右手が尺骨神経麻痺の診断を受けてから、できないことが増えた。

料理で言えば、硬いものが切れない、長い間包丁を握れない。混ぜるにも、菜箸を握らなければいけないので、たくさん溢れる。洗い物もスポンジをどっちの手で持ったら良いのか、まだはっきりわからない。この間は、ポットを右手で持っていて、割ってしまった。

昨日は、キャプションを作るために、ハレパネに紙を貼った。貼るところは右左工夫して、なんとかできたけれど、カッターが全然ダメだった。

引くことができない。

握ることはできる。押すこともできる。

摘んだり、引っ張ったり、捻ったり、できない。

ついこの間まで、綺麗にハレパネでキャプションを作れた。苦手だけれど、それなりに真っ直ぐカッターで切れた。今はそれすらもままならず、断面は少し斜めになってしまう。

カッターを左手に持ち替えたらスムーズにできるかと思いきや、右手の握力では定規すらきちんと押さえられない。

唯一変わらずできることは、パソコン操作ぐらいだ。小さな工夫で、同じぐらいか少し劣るパフォーマンスを実現できる。

一番辛いことは、今まで通りに文字が書けないこと。あれだけ筆跡をコントロールするには、握力が必要だった。そして、手の負荷がかかる部分が、まさに尺骨神経が通るところであるため、紙に手を長時間置くこと自体が辛い。自分の字が見たい。自分の好きな字が書けなくて悔しい。この字を私の字と思って欲しくない。

だんだん何ができなくて、何ができるかわかってきたけれど、突然、新たにできないことに直面すると、気持ちが本当に落ち込む。